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京都の寺院

夏は勧修寺へ。鮮やかピンクが広がる蓮の名所「氷室池」で涼やかな気分を味わおう!

古都で知られる京都には神社や仏教寺院などの観光スポットがたくさんあり、季節に応じて美しい自然の風景を眺めることができます。京都市山科区にある勧修寺の庭園も春の桜や晩秋の紅葉で有名ですが、初夏の時期には美しい新緑の風景を楽しむことができます。この時期の勧修寺の一番の見どころは、境内の「青もみじ」と「氷室池」に咲き乱れる蓮の花です。市街地のはずれに位置している勧修寺は境内のすぐ隣に山があり、夏の時期になると新緑の光景をバックにして静かな境内で涼やかな気分を味わうことができます。

勧修寺の基本情報とアクセス方法

醍醐天皇が生母の菩提を弔うために建てたのがはじまりと伝えられる。氷室池を中心とした庭園は、平安時代風の雅かな雰囲気。

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勧修寺(かじゅうじ)は京都市山科区の西部にある仏教寺院で、宗派は真言宗山階派です。こちらのお寺は大変歴史が古く、創建されたのは平安時代の昌泰3年(西暦900年)です。天皇家や藤原家ゆかりが深い格の高いお寺のひとつで、「山階門跡」とも呼ばれます。応仁の乱の際に焼失して一時的に衰退しましたが、江戸時代になってから徳川幕府の援助によって再興し、境内にみられる多くの伽藍や美しい庭園が整備されました。
勧修寺のアクセス方法ですが、公共交通機関を利用する場合は京都市営地下鉄東西線「小野駅」を下車してから西に6分ほど歩いた場所にあります。地下鉄東西線は、京都市営地下鉄烏丸線御池駅・JR山科駅・JR奈良線六地蔵駅で乗り換えることができます。拝観時間は午前9時から午後4時まで(年中無休)で、拝観料(大人)は400円です。勧修寺は京都市内中心部から離れた場所にあるため、金閣寺や清水寺などの有名な観光スポットと比べて観光客は多くありません。観光客が少なめなので、境内でゆっくりと過ごすことができるでしょう。

蓮で有名な「氷室池」とは

勧修寺の有名な見どころのひとつは境内の南側にある「氷室池」で、国の重要文化財に指定されている「書院」や水戸黄門ゆかりの石灯籠を眺めることができます。「氷室池」の歴史はたいへん古く、平安時代から存在していました。冬になるとこの池に氷が張り、毎年正月2日に池の氷が天皇に献上されてその年の作物の作柄を占われました。「氷室池」の周囲は紅葉の名所として知られていて、晩秋の時期になると多くの観光客が訪れます。紅葉の時期以外はこの場所を訪れる観光客は少ないですが、5月下旬になると池に植えられている睡蓮の花が咲き始めます。8月下旬の時期になると「氷室池」は蓮・紫陽花(アジサイ)・半夏生・ショウブ・アヤメが開花して、鮮やかなピンクや白色の花が咲き乱れる幻想的で妖艶な夏の景色を楽しむことができます。「氷室池」の奥のほうに行くと多くの木々が生えて鬱蒼としており、人工の建築物のない自然の森の姿を眺めることができるでしょう。

勧修寺の夏の見どころ「青もみじ」

勧修寺の夏の見どころ「青もみじ」

京都の名所と聞くと、多くの方は春の桜と秋の時期の紅葉を思い浮かべるかもしれません。市内にある有名なお寺の境内や庭園には多くのモミジが植えられていて、晩秋の時期になるとモミジの葉が黄色や紅色に染まって美しい秋景色を見せてくれます。モミジの葉は冬になると散ってしまいますが、春になると新芽が出て初夏から夏の時期にかけて青々とした美しい「青もみじ」の姿を見せてくれます。京都市内で紅葉で有名なお寺の中には、夏の時期の「青もみじ」の名所も少なくありません。
山科区にある勧修寺も「青もみじ」の名所のひとつで、5月下旬頃から8月にかけての時期になると境内の南側の「氷室池」の周囲で、青々とした夏の風景が楽しめます。ちなみに、真夏の時期の京都駅周辺は灼熱地獄と化しますが、市内中心部から離れた山のすぐ近くに位置する勧修寺の「氷室池」の周辺は夏の日中でも涼しくて快適に過ごすことができます。勧修寺は京都市営地下鉄の駅から徒歩数分のとても便利な場所にあるお寺ですが、境内に入ると涼しげな「青もみじ」の風景が楽しめるおすすめスポットです。

いつでも美しい花が楽しめる勧修寺のみどころ

勧修寺は春の桜と秋の紅葉が有名ですが、夏の時期になると「氷室池」に植えられた蓮の名所であることも知られています。勧修寺の境内の庭園はあまり人の手が加えられていないので自然の森の姿に近く、四季を通じてその時々の草花が楽しめるお寺です。
季節ごとの勧修寺の境内の見どころですが、桜(春)・カキツバタ・花菖蒲・睡蓮・紫陽花(初夏~梅雨)、蓮・青もみじ(夏)、楓(秋)、紅葉(晩秋~冬)、梅(冬~早春)があります。これらに加えて人の手がほとんど加えられていない境内の木々には多くの野鳥が住んでいて、春になるとホトトギスの鳴き声が聞こえます。
京都市中心部から地下鉄でアクセスできる勧修寺は、いつ訪れても季節ごとの草花や自然の風景が楽しめるお寺です。夏の時期に京都を訪れる場合は、勧修寺に立ち寄って涼しげな「青もみじ」と鮮やかで妖艶に咲き乱れる蓮の花を眺めて、身も心もリフレッシュすることをおすすめします。

まとめ

京都の夏の見どころと聞くと、多くの方は清水寺や貴船神社・鞍馬寺などのお寺を思い浮かべるかもしれません。清水寺や金閣寺と比べると山科区にある勧修寺の知名度は高くありませんが、京都市内で数少ない「青もみじ」が楽しめる名所のひとつです。夏の時期に京都を訪れる予定があれば、勧修寺に立ち寄って「氷室池」で咲き乱れる蓮の花や、池の周囲を取り囲むように生い茂る涼しげな「青もみじ」の景色を眺めてみるのはいかがでしょうか。